2011年12月12日月曜日

X3ダイレクトイメージセンサー×SILKYPIX特集~解像力を活かす~

先日の記事でX3ダイレクトイメージセンサー(FOVEONセンサー)の特徴についてはご案内したと思う。

 X3ダイレクトイメージセンサー×SILKYPIX特集~概要~

3層構造、デモザイク不要、ローパスフィルター不要という事でとにかく解像力が魅力の一つである事を筆者としては感じている。そこで今回はX3ダイレクトイメージセンサーの解像力を活かすためのRAW現像テクニックなどをご紹介したいと思う。




最初に気を付けていただきたいのは、このセンサーに限ったことではないのですが、

モザイクばかりで申し訳ない・・・

撮影時にできる限りブレを抑える事。

基本ですね。
いくらセンサーやレンズ自体の解像力が高くてもほんの少しぶれてしまっているだけでピント面の解像度は低下してしまう。特にもともと分解力のあるX3ダイレクトイメージセンサーについてはそれが顕著に表れます。動きのあるイメージを狙わない場合(被写体を止めて見せたい)場合にはブレには気を付けていただきたい。

例えば下の写真。


ねこが日向ぼっこをしている様子です。この写真はぶれていません。顔の部分を拡大すると、


WEB用にJPEG化してしまっていますが毛並の細部まで解像しているのがお分かり頂けるだろうか?とてもシャープな描写だ。

続いてて次の写真



一見上と同じように見えるが、顔の部分を拡大すると



少しもやっとしているのがわかるだろうか?これはブレが原因です。この場合は被写体ぶれでしょうか?これだけはRAW現像でもどうにも補正のしようがありません。

試しにシャープネスを強くしてみると


少しもやもやは取れるものの線が太く再現される傾向にあり、一枚目のぶれていない写真と比較すると不自然な描写になってるのが確認できる。
このように例えば大伸ばしプリントなどを前提に考えると、もともとぶれていない写真と言うのは大きく伸ばしてもしっかりディティールが残ってくれるのだが少しブレてしまうと画素数や解像力を損してしまう事になりかねない。しかもそれはRAW現像でもなかなか高画質に補正しきるのは困難である。


ですので三脚を使うなり、脇を締めるなりして

ブレには気を付けてください

次にSILKYPIXの機能の中に、回転・変形系と言うものがある。

【変形系】
 デジタルシフト/ディストーション補正

【回転系】
回転

がそれに該当します。

これらの機能を使う場合にもともとの解像度が多少落ちる場合があるので気を付けていただきたい。

例えば下の写真



この写真の一部を拡大して見てみると、


手すりとか、壁面の模様などが見事に解像されている。

これに0.5度の回転補正をすると



少し手すりの模様や壁面などの描写が甘くなったのが解るかと思う。このように回転・変形系補正により画素の補完が発生してしまう事になる。同一ピクセル上にRGBが揃うX3ダイレクトイメージセンサーではその差が顕著に表れる。逆に言うともともとの分解能が高いからだ。(Bayer機でも多少この傾向はあるがこれ程の差は見られにくい。)

なので、

撮影時に水平出しをしっかりするのがベター。

また、RAW現像時に変形系フィルタを使う場合には解像度低下とのトレードオフになるのを理解したうえで使う。


これがポイントだろう。

解像度関連、最後にノイズリダクションと解像度の関係についてご紹介する。

以下の写真を見ていただきたい。


結構暗い所で手持ち撮影したものだ。カメラはDP2でISO200で絞り開放(f2.8)でシャッタースピードは1/80まで上げることができた。少しアンダー目に撮影して、RAW現像時に少し増感現像したので細部を見ると多少ノイズが出ている。

拡大して見ると

シャープ/ノイズリダクション共に初期設定

ざらつきがあるのがわかるだろうか?通常だとこのざらつきはノイズリダクションの中にある「ノイズ除去」で緩和させるだろう。

ノイズ除去をある程度適用してみたのが以下だ

ノイズ除去によるざらつき抑制



ノイズは抑えられたもののノイズ除去の副作用により多少ぼやけが発生する。そこで今回は少し違ったノイズ緩和の方法も紹介しよう。ノイズ除去を使う前にまず、

シャープをOFFにする。
その結果がこちらだ。

シャープ(輪郭強調0、ディティール強調0)によるざらつき抑制


X3ダイレクトイメージセンサーにはローパスフィルターが付いていない、またはデモザイクを行わないので極論を言えばRAW現像時のシャープネスは不要なのだ。(レンズの解像力を補うのに欲しい場合もあるが。)そのため、初期設定である程度適用されているシャープネスを「0」にする事でシャープネスによって強調されていたノイズは緩和できるのだ。
ノイズはある程度減っても解像感はそんなに落ちていないのが解るだろうか?
一度この状態(シャープ0)にしてそれでもノイズが気になる場合はノイズ除去を適示設定して行っても良いのではないだろうか。

以上X3ダイレクトイメージセンサー×SILKYPIXによる解像力を生かすためのワンポイントを紹介した。

■関連記事
X3ダイレクトイメージセンサー×SILKYPIX特集~概要~

市川ソフトラボラトリー
http://www.isl.co.jp/

SILKYPIX
http://www.isl.co.jp/SILKYPIX/japanese/

ダウンロードページ
http://www.isl.co.jp/SILKYPIX/japanese/download/

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