X3ダイレクトイメージセンサー×SILKYPIX特集~RAW現像基本調整~
http://silkypix.blogspot.com/2011/12/x3silkypixraw.html
- 露出(明るさ)
- ホワイトバランス(色合い)
- 調子(トーン)
鉄道駅スナップ
京成千葉線には何年か前から新京成線の車両が乗り入れている。古くからこの沿線に住んでいる筆者にとって最初は違和感があったが最近やっと慣れてきた。こうして風景の一部になっていくのだろう。
夕方に撮影したものだ。一つづつチェックしていこう
調整前
【露出】
空の明るさに引っ張られて撮影時アンダー
【ホワイトバランス】
蛍光灯と夕暮れのミックス光状態。ここでは夕焼けを表現したい。
調整後
【露出】
車両や線路が見えるギリギリまで明るくした。
明るくし過ぎると暗い部分が浮いて不自然に見えるので「影は影」と言う事を意識した。
【ホワイトバランス】
夕暮れの雰囲気を出すために暖色系へ。且つ蛍光灯の色がノスタルジーを感じさせる色調(黄色気味)になるように設定し、この駅(京成稲毛)の雰囲気を表現した。
【調子】
露出で明るくした際に浮いた暗部を黒レベルを上げて締めた。また、車両側面の信号の映り込みを強調するようにコントラストを高めに設定した。
以上3項目の調整のみである。
どんどん見ていこう。
街角スナップ
光と影が魅力の街角スナップだ。
この写真も柔らかい光と影が混在している状況で撮影したのだが、適正露出で撮影すると当然このようにフラットな感じで撮れてしまう事がある。デジタルカメラのダイナミックレンジは拡がる方向にあるが、その広いダイナミックレンジの中から明暗を取捨選択するのもRAW現像の楽しさだろう。
調整前
【露出】
適正露出ではあるが薄暗い雰囲気が弱く感じる。もう少しアンダーで見せたい。
【ホワイトバランス】
少し青味がかっていてクールな印象を受ける。しかしここでは路地の湿っぽさを出すため暖色系にしてみたい。
【調子】
もう少し、「影」と「光」の強弱を強くしたい。個人的には柔らかい光が当たっている画面中央の白い壁をや木の扉をもう少し目立たせたい。
調整後
【露出】
葉っぱが暗部から徐々に見えてくる程度までアンダー補正した。路地裏だけに暗さはしっかり表現したいとの意向からだ。
【ホワイトバランス】
画面中央にある白い壁に注目し、ここが若干暖色系になるように色温度を設定した。
画面内の白の色調が、暖色系か寒色系かで写真の印象は大きく変わるのではないだろうか。
【調子】
コントラストを高く設定した。調整のポイントとなるのは画面中央の壁と周りの暗部の明暗差が適度に生まれるように行った。
また、黒レベルで暗部を暗くした。
この写真では画面右手前側から夕方の日差しが白い壁に向かって柔らかく差し込んでいる。
「面」で考えると地面などの上を向いている面はより暗く見せたいし右側に向かっている面は、より明るく見せたい。今回のコントラストの考え方は絵画のデッサンのようなトーンの強弱の付け方を意識して行った。
マクロ補正編
マクロ撮影を行っていると意図しない色調が再現される場合がある。例えばこの曇りの日に撮影したマクロ写真だと写真全体の発色が良くないし色が濁ったように感じる。この場合に「彩度」を鮮やかな方向へ調整したくなる気持ちもあると思うが、その前にホワイトバランスをチェックしてみると良い。
補足だがオートホワイトバランスの原理と言うのは、写真の中から「白っぽい部分を見つけ出してそこが白くなるように調節する。」のが一般的だ。しかし、このように画面の中に白っぽい部分の割合が少ない(特にマクロなどではありがち)シーンでは、AWBが上手く働かない場合がある。これもそんな例かも知れない。
調整前
【露出】
少し暗く感じる。
【ホワイトバランス】
色調が不自然に色が抜けたように見える。または濁って見える。
【調子】
背景を少し暗く落としたい。
調整後
【露出】
花弁の赤が飽和しない程度に明るく補正。
【ホワイトバランス】
この場合、色の抜け、濁りの原因となっているのが「色偏差」のズレだ。調整前の写真で背景や葉っぱの部分の色を見て欲しい。本来緑の葉っぱがグレーっぽく再現されているのがわかるのではないだろうか。これは「色偏差」がマゼンタ側へずれているため、補色である緑はグレーっぽくなってしまうのだ。これは筆者の予測に過ぎないが、カメラの気持ちになって考えてみると。
- オイオイ、写真の中に白がねーぞ。
- この背景の緑ってもしかしたら緑かぶりなんじゃないの?
- じゃぁ、背景の緑をグレーに補正してしまいましょう。
こんな感じなんじゃないかと想像している。
と言う事で色偏差を緑側に調整した。
【調子】
露出補正で明るくしたことで背景も明るくなるので、黒レベルを少し上げて暗部のトーンを落とした。
実際この調整前、調整後の写真を見ていただいて、今回「彩度」は変更していないのにもかかわらず鮮やかに見えるのではないだろうか?実はホワイトバランス(色偏差)のズレが大きな原因だったのですね。ちなみに色偏差がずれたまま彩度を上げていくと、より不自然さが増していきますので要注意です。
今回は先日の記事で紹介した
- 露出(明るさ)
- ホワイトバランス(色合い)
- 調子(トーン)
だけを使ってどのように仕上がるのかを見てみました。
まずはこれを行ったうえでさらに気になる所が出てきた場合にはSILKYPIXの豊富な機能を使って個別に仕上げていきましょう。
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http://www.isl.co.jp/SILKYPIX/japanese/
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