2011年12月22日木曜日

Spyder CUBE を試す(バイク編)

先日の記事でSpyder CUBEという、写し込む事でRAW現像時に

 
  • 露出
  • ホワイトバランス
  • 黒レベル

 
を設定できるアイテムの特徴や使い方などを紹介したが、身近な被写体で実際に試してみた。
最初にSpyder CUBEについておさらいしよう。

 
これがSpyder CUBEだ

 

 

 
Spyder CUBEは様々な機能を持った立体グレーチャートです。
SILKYPIX Developer Studio Pro5に搭載されているツールと連動し、手軽に写真の最適化を行うことができます。

 
■グレーフェース
SILKYPIX DSP5のホワイトバランスツールで指定する事で、光源に合わせた最適なホワイトバランスを決定する事ができます。
■ホワイトフェース
SILKYPIX DSP5の露出補正ツールで指定する事で適切な露出設定を行うことができます。
■ブラックトラップ
SILKYPIX DSP5の黒レベルツールで指定する事で最適な黒レベルを設定する事ができます。

この3つはSILKYPIXの機能と連動する部分だ。
 
■クロマボール
銀色の球が付いており映り込みにより、スタジオであればライティングの向きや数、フィールドだと太陽など光源の向きなどが後から解るようになっています。
■ブラックフェイス
黒に着色された面となっています。ブラックトラップが完全な黒いわゆるRGB値で言うと(0,0,0)に設定するのに対し、ブラックフェイスはそれ以上になるように設定します。

この2つは調整の参考になる部分だ。
 

こんな感じです。
SILKYPIX DSP5での使い方は以下のサイトで動画で紹介しているので見ていただきたい。

▼SILKYPIX GOODS CH. Spyder CUBE
http://www.isl.co.jp/SILKYPIX/japanese/goods_ch/spyder_cube.html

 

 
それでは見ていこう。
今回はバイクを被写体にして仕上げてみた。
金属や黒いパーツの多いバイクはなかなか露出や黒レベルの設定が難しい被写体だが結論から言うとかなり満足な仕上がりが得られた。

 

 
1.リファレンスカット
Spyder CUBEを写し込んだカットを撮影しておく。

 
リファレンスカット(調整前)
 

 
2.リファレンスカット調整
露出補正ツール(ホワイトフェイスを指定)
グレーバランスツール(グレーフェイスを指定)
黒レベルツール(ブラックトラップを指定)

 
リファレンスカット(調整後)
 
 

 
この状態で現像パラメータをコピーしておく。

 
3.本番カット
調整前の本番カット

 
本番カット(調整前)
 
このコマに対して「2」でコピーした現像パラメータを貼り付けると・・・

 
3.本番カット(調整後)
リファレンスカットで設定したパラメータが貼り付けられる。

 
本番カット(調整後)
 
 
ハイライトもギリギリの所で粘っていて黒の浮も無い仕上がりとなった。
黒レベルは上手に設定しないと、黒の階調を潰してしまう事があるが、暗部とタイヤの黒が上手く分離されているのがわかるだろう。

 
4.微調整

 
微調整(コントラスト1.15)
 

 
ダークネスからシャドーにかけての繋がりを少し柔らかく表現したかったのでコントラストを少々下げイメージにより近づけた。これで完成だ。

 
以下同じように調整したものを調整前後で見ていこう。

 

 

 
調整前

 
Spyder CUBEとSILKYPIXで半自動補正
 
カウルやヘッドライトの艶など、ハイライトも滑らかに粘った露出がセットされた。
また、カウルの黒と暗部の分離も良い。
 
 
調整前
 
Spyder CUBEとSILKYPIXで半自動補正

 
マットブラックな被写体は鈍い艶を持って居るため、アンダー露出だと艶感が少なく、オーバーだとテカテカになり過ぎてしまう。今回はCUBEを使う事でこのマットな質感が再現できた。

 

 
このように階調を引き出す事でバイクの持つ硬質な質感も再現する事ができた。
また、色についてもホワイトバランスが適切にセットされることでリアルな印象の仕上がりとなる。
屋外でもこのような場面では結構使えそうだ。

 
■関連記事
市川ソフトラボラトリー
http://www.isl.co.jp/

 
SILKYPIX
http://www.isl.co.jp/SILKYPIX/japanese/

 
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