2011年11月30日水曜日

SIGMA×SILKYPIX×EIZOによるワンストップセミナーレポート

2011年11月26日に行われたSIGMA×SILKYPIX×EIZOによるワンストップセミナーの概要を紹介させていただく。






セミナー全体の様子については後日YouTubeで公開する予定となっているが、その前に簡単に説明したいと思う。

会場となったのは株式会社ナナオのショールーム「ガレリア銀座」の2階にあるセミナー・イベントスペース。それぞれのメーカーがデモやプレゼンを行った。

■SIGMA
写真家 増田 雄彦氏を迎え、SIGMA SDシリーズおよびDPシリーズで撮影された写真のエピソードなどを紹介。またSIGMAからはFOVEONセンサーの開発経緯やSIGMA製デジタルカメラの魅力などをプレゼンした。

■EIZO
カラーマッチングに関する
・モニターの設定方法
・キャリブレーション方法
・環境光の整備
などを行った。

また、SILKYPIXを使ったプリント方法も紹介。

■SILKYPIX
SILKYPIXのデモではRAW現像の基本として


・露出
・ホワイトバランス
・調子(トーン)


の設定例とその他の機能に関しても説明を行った。
またSIGMAのRAWデータ(*.X3F)を現像する際のワンポイントなどの解説した。

内容は異なるがここでも若干紹介してみよう。


撮影時設定


銀座のショーウィンドウを撮影したものだ。実際はマネキンが着ている毛皮は白っぽい色をしていて、見た目にも白く見えたのだが、ショーウィンドウの中に使われている照明がハロゲン灯のようなものだったので撮影すると強い緑かぶりが発生している。
ちなみに撮影時のホワイトバランスは「AWB」。このような光源に対しては多くのカメラでこのようになってしまう傾向があると感じている。
これを上記の基本「露出/WB/調子」の設定を行うと、


調整後

このように自然な感じに仕上げることができる。設定は

■露出(+0.6EV)
毛皮のハイライト部分に階調が残るギリギリの所位を狙って露出を決定した。
できるだけ白の抜けを良く見せたい為だ。

■ホワイトバランス(SILKYPIX AWB絶対)
SILKYPIXのオートホワイトバランスを使って色かぶりを補正した。
グレーバランスツールを使って毛皮の白を指定する方法も試したが、厳密には毛皮は完全な白ではなくオフホワイトだったので、それに比べると白すぎるを感じた。
それに対し、SILKYPIX AWBの方が見た目に近い印象だったのでこちらで決定。

■調子(コントラスト2.0、 黒レベル12)
この設定には筆者の意図が入っている。
まず、コントラストを高くすることでこの被写体の特徴である白い毛皮をより引き立たせた。
また、黒レベルを少し上げてシャドーを暗くしていくことで背景や影の部分の暗さをより強調してみた。いずれもマネキンの存在感を少し強くしてみようという意図である。

他にも細かい部分で気になる所はあるが基本3項目の設定だけでおおよそイメージに近い形まで持っていくことができた。


次に私的ホワイトバランスの考え方のおすすめもご紹介しておこう。
おすすめする順番にご案内してこう。



◎仕上げのイメージがある場合はそれを優先で
ホワイトバランスを意図的にずらして色調表現として使う場合、もしあらかじめイメージが
あった場合にはそれを尊重し、試してみる。


極端な事を言えば写真表現におけるホワイトバランスの正解などと言うものは無いと思ってます。
皆様の発想・イマジネーションがあった場合それを最優先させて仕上げましょう。

◎照明の種類によって使い分ける。
ホワイトバランスとは色かぶりを取るという意味で使われる場合が多いだろう。でもはたしてどんな被写体でも色かぶりを取れば良いのか?そこでちょっと考えていただきたい。その照明が意図的に演出されたものなのかどうか。と言う事だ。例えば下の写真を見ていただきたい。これはSILKYPIXのAWB(絶対)を適用したものだ。見事に色かぶりが補正されている。しかし、写真としてはどうだろうか?色かぶりが取れたことによって、本来電球で照明されているはずの店の雰囲気は弱まり居酒屋感も弱く感じるのではないだろうか?



SILKYPIX AWB(絶対)



では次に紹介するのがSILKYPIX AWB(自然)を使ったものだ。電球色は残っているものの、雰囲気としてはこちらの方が伝わるのではないだろうか?温かみのある居酒屋の照明の雰囲気は残っている。思わず一杯やっていきたくなるのはこちらだろう。



こんな感じでポイントをまとめると、

◎演出された照明だった場合、その雰囲気に魅力を感じたら、ホワイトバランスを完全に補正してしまうのではなく、雰囲気が伝わるようなホワイトバランスセッティングを心掛ける。

◎被写体の色をちゃんと見せた方が良い場合(上のショーウィンドウなど)はしっかりとホワイトバランスを合わせ自然な仕上げを心掛ける。

こんな感じで使い分けています。もし、カメラのAWBを使わないで撮影毎に変えている方でもちょっとした微調整でもっと良くなる可能性がありますので参考にして欲しい。
(ちなみにこれは筆者のおすすめの一つであって必ずしもこうでなくてはいけないというものではありません。)


さて、その他SILKYPIX側から見たSIGMAカメラの魅力なども紹介した。

まずDPシリーズについては小さくてもしっかり写るカメラだと言う事。
もともと、センサー自体は一眼レフであるSDシリーズと同じものが付いているのでポテンシャルは高いのですが、実は結構レンズも良いんじゃないの?
なんて事を思っていたりする。例えばこの写真、

初代DP2 ISO200×SILKYPIXで現像


ご覧の通り背景のぼけ方も結構良い感じです。周辺部まで頑張ってる感じがします。
コンデジですよ。

ちなみに、こういう見せ方を嫌がる方も居るかも知れませんが100%切り出したものです。


クリックすると拡大します

眉毛までくっきり写ってます。ローパスフィルターが無いと言う事と3層構造のFOVEONセンサーと言う事でここまで写ってくれます。もう一つ、ここまで写るとレンズの解像度も重要になってくる木がしますが良好です。もう一度言いますが、コンデジですよ。(WEB用に保存しているためJPEG圧縮がかかっているのが惜しいですが。)



もう一つは一眼レフタイプのSDシリーズ(SD15)。

ちょっと大きいですがクリックして拡大してみてください。


一部分を100%で切り出し

ピント面のディテールに注目。これもFOVEONセンサーならではですね。
SILKYPIXも独自のロジックでこのFOVEONセンサーに対応していますので、当然純正とは違った色や特徴があります。SIGMAユーザーの方々にはそれをぜひ楽しんでいただきたいと言うのが大まかな趣旨となっていた。
その他、セミナー当日は筆者の冴えない冗談などにも暖かなご対応をしていただいた参加者の皆様にはとても感謝している。


■関連情報

市川ソフトラボラトリー
http://www.isl.co.jp/

SILKYPIX
http://www.isl.co.jp/SILKYPIX/japanese/

ダウンロードページ
http://www.isl.co.jp/SILKYPIX/japanese/download/

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